第1話 <真夜中のイラン人>

 めけめけがとりあえず、まだ中学生だった頃のこと。

 うちの親父は大層飲むのが好き。
 まあ、ここまでは世の中のお父さん達と同じだ。
 世間のお父さん方が、少ないお小遣いの中で、仕事の疲れを酒で癒そうと、その二日酔いで次の日もっと疲れてようと、そりゃ個人の自由だわな。
 まあ、うちの親父は酒を飲んで騒ぐことはあっても、暴力ふるうことは滅多にない。( ←たまにあるんかい!?)飲んで帰ってきても、別にうるさいだけだからかまわん。その頃同じ部屋に寝てた母親達はたまらんかっただろうが、とりあえず、私の部屋は別だったから、個人的に文句はなかった。( ・・・しかし私の部屋にもイビキが聞こえたから、一緒の部屋の家族は相当うるさかっただろう

 しかしな、 夜中の2時に家に イラン人連れてくるのはマズいだろ!?

 ああ、ここでイラン人のとこまでを強調してしまったが、私が別にイラン人に偏見を持ってるわけではない。世間のイラン人の方が、もしこれを読んで気を悪くされたら、謝りたいと思う。(←ってこんなHP読んでるかっての!)
 とにかく重要(?)なのは、

深夜の自宅に、「養○の滝」( ←有名な飲み屋さんだ。別にこの店が悪いわけじゃないぞ。 )でその日知り合った人をつれてくるのはいかがなもんでしょうか?

 ということなのだ。
 常々、父親の人付き合いの良さは知っていたが、まさか飲み屋で国際交流してるとは思わんかったよ(苦笑)。
 そんでもって、このイラン人の方(男性)がまたすんごく丁寧な方なんだわ(笑)。

 「ヤブン、失礼イタシマス。」

 なんて、片言だけど、丁寧な言葉使い。きっと、飲み過ぎたうちの親父が心配で来てくれたんだろうな〜。

 「おお、あがってあがって〜」

 なんてお気楽な親父の大きな声がする頃には、家族皆起きてきていた。
 年寄りだって起きてきた。(ちなみに、うちは母親の両親と同居なのだが、うちの父親にマスオさん的遠慮なんて備わってない。

 「今日知り合ったイラン人の○○( 名前はさすがに忘れた )さんだぁ〜」

 しごくご機嫌な親父と、恐縮してるイラン人の○○さんを前に、我々家族の開いた口が塞がらなかったのは言うまでもない。


第1話 完

 コメント:しかし、今頃あの○○さんはどうしてるのだろう。もう本国へ帰ったのかな〜。
それとも、まだ日本にいて、近頃の不況のあおりをくってたら、かわいそうだよな。
 めけめけは彼が元気にしていることを願います。


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